ポリテトラメチレングリコール(PTMG)(非公開詳細付き)

目次

ポリテトラメチレングリコール(PTMG) の概要

ポリテトラメチレングリコール(PTMG) の概要

ポリウレタン原料のポリエステルポリオールであるPTMGは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Poly-tetramethylene-ether-glycol)、ポリオキシテトラメチレングリコール(Poly-oxy-tetramethylene-glycol)、ポリテトラヒドロフラン(Poly tetrahydrofuran、PolyTHF)の一般名があり、テトラヒドロフランを開環縮合して製造される2官能性のポリエーテルポリオールです。重合度により分子量650〜3000までのグレードがあり、ポリウレタン樹脂用途では分子量1800〜2000のグレードが一般的に使用されます。常温時に白色ワックス状固体であるため、使用の際加熱する必要があります。そのため、取扱いを容易にする目的で室温で無色透明液体なグレードも販売されています。

PTMGを原料に用いたポリウレタン製品は、ポリプロピレングリコール(PPG)を原料に用いたポリウレタン製品より耐摩耗性、耐引裂性、機械強度に優れます。また、ポリエステルポリオールを使用したポリウレタン製品と比較して、耐水性、低温時の柔軟特性、防カビ・耐菌性に優れる特徴があります。これらの特性により、耐水性、低温特性、防カビ性が要求される用途のエラストマーにはPTMGを使用した熱可塑性ウレタンエラストマー(TPU)が多数を占めています。PTMGはスパンデックス、エラストマーのソフトセグメント、人工・合成皮革の主要な原料として使用されています。

ポリテトラメチレングリコール(PTMG)の製造

 PTMGはカルボン酸無水物と固形酸触媒のもとでテトラヒドロフラン(THF)を開環重合してジカルボン酸エステルを製造し、低級アルコールとエステル交換することで製造されます。

<PTMG一般式>
<PTMG製造プロセス>

ポリテトラメチレンエーテルグリコールの市場規模

<PTMGの市場推移※当サイト推定>

PTMGの世界の販売数量は約760,000MTで、国・地域別でみていくと以下のグラフのような割合になります。(2021年4月現在、当サイト推定値)

<PTMGの国・地域別販売動向※当サイト推定>

PTMGはスパンデックスやエラストマーの需要増加を受け世界全体として市場は拡大を続けています。中国では参入企業が多いので販売数量、消費量は一位となっています。中国国内生産が過剰供給状態になっているので2010年代前半と比較して輸入量が減少しています。中国に多数参入しているスパンデックスメーカーが東南アジアに拠点を建設していくので、今後、中国シェアの減少、その他アジア・パシフィック地域の成長が見込まれています。

ポリテトラメチレングリコール(PTMG)のメーカー別販売動向

世界シェア1位の大手企業であるBASFはPTMGの参入企業では唯一、アジア・北米・欧州の各地域に生産拠点を持つサプライヤーであり、製造したPTMGはTPUで自消が多い特徴があります。世界シェア2位の大連化学工業は中国で最大のメーカーですが、2010年以降中国での新規参入企業が増えたため価格競争で苦戦している模様です。世界シェア3位のLYCRA社は原料の1,4-BDから、PTMG、スパンデックス、各種アパレルブランドまで一貫して自消できる体制が整っています。

日本シェア1位の三菱ケミカルは企業内再編を行い2016年に中国でのPTMG事業を譲渡しダウンサイジングを行った結果、高機能用途へ注力していています。またグループ会社では樹脂やエラストマー(PBT、TPC)などに自消されています。日本シェア3位の保土谷化学工業は日本で最初にPTMGを生産した企業で、中国シェア1位の大連化学工業と包括業務提携を行い合弁企業として製造しています。

中国では多数のメーカーが参入し、1,4-BD 、TFHなどの原料から製造し、自社あるいはグループ会社で主にスパンデックス向けに自消しています。大手スパンデックスメーカーであるHyosung社、LYCRA社、旭化成などは自消用にPTMG生産拠点を抱えています。

ポリテトラメチレングリコール(PTMG)の用途販売動向

PTMGのの最大の用途先はスパンデックスです。スパンデックスは先進国では高機能なスポーツ用品、新興国では各種衣料や紙おむつで需要の増加が続いています。特に東南アジア・インド方面ではスパンデックスの需要が見込まれるためPTMG需要に拍車がかかっています。エラストマー用途ではTPU、TSUのウレタン系以外にもポリエステル系エラストマー(TPC)、ポリアミド系エラストマー(TPAE)としても使用されています。TPU用途ではPTMGをソフトセグメントに組み込むことで耐加水分解性、耐カビ性、低温特性に優れるようになります。TPCの場合ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリブチレンナフタレート(TBN樹脂)はPTMGの共重合体と供給されています。これらは柔軟性、耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れ、射出、押出、ブロー等各種成形に適しています。TPAEはポリアミド樹脂(PA11,PA12)と組み合わせることで使用され、TPU、TPCと比べ、耐屈曲性や反発弾性に優れることより高機能スポーツシューズや医療用カテーテルに採用されています。その他、人工・合成皮革向け、またPVC床用コーティング材や光学用コーティング材に使用されています。

ポリテトラメチレングリコール(PTMG)の技術動向

ポリテトラメチレングリコール(PTMG)の技術動向

PTMGの原料である1,4-BDをブドウ糖発酵プロセスを利用したバイオコハク酸生産メーカーが新規メーカーに参入しています。保土谷化学工業は植物由来原料を100%使用したPTMGの開発に取り組んでいます。

Share Please!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる